日本臨床細胞学会雑誌
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線維形成性小円形細胞腫瘍の2例
榊原 美由貴竹川 義則木村 実千明吉井 理子山下 由香日野 侃山本 智子澤田 達男
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2004 年 43 巻 3 号 p. 185-190

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抄録

背景:線維形成性小円形細胞腫瘍 (desmoplastic small round cell tumor, 以下, DSRCT) は若年者に好発する予後不良な腫瘍である. 今回われわれは術前の臨床診断の異なった2例のDSRCTを経験した.
症例:症例1は15歳男性. 左上腹部に巨大な腫瘤を認め, 横行結腸原発腫瘍が疑われた. 症例2は16歳女性.多量の腹水を伴う卵巣腫瘤を認め, 卵巣原発腫瘍が疑われた. 腫瘍捺印細胞診では小型の細胞と異型の乏しい紡錘形細胞を認めた. 組織学的には小細胞の胞巣とそれを取り囲む線維性間質からなる腫瘍であった. 免疫染色ではepithelial membrane antigen, vimentin, desmin, neuron-specific enolase, WT1蛋白に陽性を示した. これらの所見からDSRCTと診断された.
結論:DSRCTはまれな腫瘍であるが, 若年者における癌性腹膜炎の症例では, 本症を考慮する必要がある.女性の場合, 卵巣に腫瘤形成を示す症例もあることを念頭におくべきである. 細胞診では細胞の採取方法にも工夫が必要である. また免疫染色が有用であり, 体腔液細胞診などの際にも積極的に行うべきである.

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