日本臨床細胞学会雑誌
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術中迅速組織診断の補助診断としての遠隔細胞診の有用性
伊藤 雅文小木曽 篁佐分利 あゆみ林 総枝嶋崎 美穂渡辺 真由美篠ヶ瀬 仲子
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2004 年 43 巻 3 号 p. 222-226

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抄録

名古屋大学附属病院病理部は, 土岐市立総合病院, 中津川市民病院, 名古屋共立病院の問で, Pathtran 1000を用い公衆電話回線を介した遠隔病理診断システムによる術中迅速病理診断を行っている. 1994年8月開始以来, 400例以上の実施症例を経験している.術中迅速診断では, 全例に捺印細胞標本を作製し, 術中迅速細胞診断を併用している. 迅速細胞診を併用したことにより, 的確な診断に結びついた具体的な経験症例から, 以下のような症例でテレパソロジー・テレサイトロジー両者の併用が有用であると考えられた. 1. 細胞所見が診断にきわめて重要な位置を占める疾患. 2. 十分な組織標本の作成が困難な微小検体. 3術中体腔液あるいは嚢胞内容などの液体検体. 4造血器腫瘍や小円形細胞腫瘍などの, 組織学的構造分化の悪い腫瘍. 5. 細菌, 真菌, ウイルスなどの感染症診断などで有用と考えられた. 術中迅速診断は, 肉眼診断, 組織標本診断, 細胞診断などさまざまな情報を複合して診断を構築することが重要であり, 特に迅速細胞診の併用が有用であった遠隔病理診断の具体的な症例を中心に報告した.

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