日本臨床細胞学会雑誌
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浸潤性乳管癌の捺印細胞診標本におけるHER2蛋白の検出
明石 静香中塚 裕之森川 政夫住吉 一浩栗栖 義賢安田 恵美江頭 由太郎芝山 雄老
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2004 年 43 巻 6 号 p. 357-362

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抄録

目的:乳癌の細胞診標本からのhuman epidermal growth factor receptor 2 (HER2) 蛋白発現の検出の可能性, 抗原賦活化の必要性および判定基準を検討した.
方法:浸潤性乳管癌 (35例) の腫瘤の中心部を捺印した細胞診標本 (95%アルコール固定) とそれに対応する部の組織標本 (20%ホルマリン固定後パラフィン包埋) を作製し, Hercep Testに準じてHER2蛋白免疫染色を行った. 細胞診標本では, 抗原賦活化群および非賦活化群を作製した. 発現判定にはHercep Testに準じた質的判定およびそれを改良した量的判定 (量的に優勢なスコァをもって判定) を用いた. それぞれの細胞診標本のスコアと組織標本のスコアとの相関を検討した.
成績:抗原賦活化の有無および判定方法にかかわらず, 細胞診標本のスコアと組織標本スコアとの間には有意の相関が認められた. 特に, 抗原非賦活化群の細胞診標本について量的判定を行って得られたスコアは組織標本のスコアに最も近似していた.
結論:HER2蛋白発現の検出は細胞診標本においても可能であり, 特に抗原非賦活化標本の量的判定結果が組織標本の判定結果に最も近似していた.

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