日本臨床細胞学会雑誌
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乳癌における術中迅速センチネルリンパ節捺印細胞診の検討
迅速免疫細胞化学併用の有用性
河野 公成宮山 東彦有馬 信之西村 令喜馬場 敏夫島本 浩二松本 律男梅田 かおり
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2004 年 43 巻 6 号 p. 363-369

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抄録

目的:乳癌における術中迅速センチネルリンパ節 (sentinel lymph node: SLN) 捺印細胞診への免疫細胞化学 (immunocytochemistry: ICC) 併用の有用性を検討した.
方法:2003年6月から2004年2月までのICCを併用した術中迅速SLN捺印細胞診134例を対象に, 迅速組織診断, 永久標本ならびに免疫組織化学 (immunohistochemistry: IHC) との成績を比較した.
成績:永久標本におけるSLN転移陽性は37例 (HE・IHCともに陽性28例, IHCのみ陽性9例) で, そのうち細胞診陽性はPapanicolaou (Pap.) 染色のみが29例であったが, ICC併用により33例となり, 感度は78. 4%から89. 2%と向上した. 残り4例はmicrometastasis症例であった. また永久標本でのSLN転移陰性は97例で, その内細胞診陰性は94例, 特異度は96. 9%であった. 残り3例はPap. 染色では疑陽性だったが, ICCにて全例陽性を呈しmicrometastasisの可能性が示唆された.
結論:孤在性の癌細胞や小型で異型性の乏しい癌細胞など, 洞組織球との鑑別を要す場合でも習熟すればPap. 染色だけで十分だが, ICCを併用することで明らかな精度向上が認められる. 特に永久標本で確認されたmicrometastasis11例中7例をICCで検出できたことより, ICC併用はSLNの術中迅速診断に有用と考える.

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