背景:明細胞髄膜腫は, 通常の髄膜腫と好発年齢および部位が異なるまれな亜型である. 脊髄に好発し, 髄膜との癒着が乏しい例では神経鞘腫などとの鑑別が困難である.
症例:患者は17歳, 女性. 7ヵ月前より左腰部痛出現し, 画像上, 腰部硬膜内に腫瘍を指摘され, 切除術を施行された. 腫瘍はグリコーゲンを有する淡明な細胞質と異型性の乏しい核をもつ細胞からなり, 小塊状の膠原線維が散在し, 不明瞭なwhorl形成が認められることから明細胞髄膜腫と診断された.
結論:術中所見でも馬尾神経との関係が強く, 神経鞘腫との鑑別が困難であったが, 術中細胞診により髄膜腫と診断することができ, 有用であった.