日本臨床細胞学会雑誌
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右側脳室に発生した中枢性神経細胞腫の1例
特にその細胞像と病理組織学的特徴について
岡崎 哲也古谷津 純一竹田 桂子中村 博簾藤 紘子山崎 滋孝鈴木 不二彦石 和久
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2004 年 43 巻 6 号 p. 380-385

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抄録

背景:中枢性神経細胞腫central neurocytoma (以下, CN) は, 比較的新しい概念の腫瘍で細胞診の報告例はいまだ少ない. 今回われわれは, 右側脳室に発生したCNを経験したので, 術中の捺印および圧挫処理標本の細胞像を中心に報告する.
症例:患者は28歳男性で, 頭部打撲にて救急外来を受診した. 頭部CTで右側脳室に石灰化を伴う腫瘍を認め, MRIでは腫瘍内部に嚢胞を伴っていた. 術中捺印細胞診標本で, 腫瘍細胞はライトグリーン淡染性の線維性物質を背景に, 散在性あるいは結合性の緩い細胞集塊としてみられ, 一部ではロゼット様の細胞配列を示していた. また, 核周囲が明るく抜けた細胞質を有する細胞境界明瞭な細胞も一部にみられた. 術中の組織所見では, エオジン淡染性の細胞質と均一な円形~類円形核を有する腫瘍細胞を認め, 細胞境界は不明瞭であった. 術中の細胞・組織所見と臨床所見からCNが疑われ, 術後の組織および免疫染色所見と電子顕微鏡的検索からCNと診断した.
結論:CNの術中迅速診断において, 細胞診を併用することで, 凍結切片標本では捉えることのできない所見を得ることができた. これらの細胞学的所見に加え, 組織所見と臨床所見を考慮することによって, CNの術中迅速診断が可能になると思われた.

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