日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜細胞診で診断された腎細胞癌子宮転移の1例
鴨下 詠美新井 努金井 督之渡辺 純横山 大上坊 敏子蔵本 博行
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2004 年 43 巻 6 号 p. 397-402

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抄録

背景:腎細胞癌の子宮転移はきわめてまれである. 今回, 術後11ヵ月で子宮転移をきたした腎細胞癌の1例を経験したので, 子宮原発腺癌との鑑別を含め報告する.
症例:62歳, 1経妊1経産. 顆粒細胞癌, 淡明細胞癌の2つの組織型からなる腎細胞癌の術後11ヵ月経過したところで, 不正性器出血を主訴に受診.内膜細胞診では,(1) 出血性だが壊死性ではない,(2) 正常萎縮内膜細胞とともに,(3) 孤立性または大小の集塊を形成して異型細胞が出現,(4) 異型細胞は大型で細胞質は豊富, 顆粒状で細胞境界は比較的明瞭,(5) 核は大型で, 微細顆粒状のクロマチン, 1, 2個の明瞭な核小体を有していた. 以上の所見, また既往歴から細胞診では腎細胞癌の転移と診断した. 摘出子宮では, 筋層に広範囲に顆粒細胞癌の浸潤を認め, 内膜面は正常萎縮内膜であった. 免疫染色でCD10が陽性であり, 腎細胞癌の子宮転移と診断した.
結論:腎細胞癌の子宮転移の細胞所見は内膜の明細胞腺癌に比し, 背景がきれいなこと, 顆粒状細胞質を有することが特徴である. CD10の免疫染色は子宮内膜原発の明細胞腺癌との鑑別に有用である.

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