日本臨床細胞学会雑誌
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アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法の有用性についての検討
佐野 順司吉本 尚子溝口 良順齊藤 みち子
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2005 年 44 巻 5 号 p. 291-297

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抄録

目的:アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法と細胞診所見を併用することにより, 細胞診正診率の向上を目的とした.
対象:当院の子宮内膜細胞診塗抹後のエンドサイトおよびブラシ洗浄液495検体, 穿刺針洗浄液67検体, 気管支ブラシ洗浄液14検体, 合計576検体を用いた. また, マウス白血病培養細胞L1210 (以下Ll210と略す) を微量遊離細胞の回収効果実験の対象検体とした.
方法:(1) 一次遠心後, 洗浄し, 1%アルギン酸ナトリウムを加えた後, IM塩化カルシウムを加えて固めた. 固形物を通常の方法でパラフィン包埋した.(2) 培養液を希釈して, 全量5mlを用いてアルギン酸ナトリウム法および従来のキムワイプ法で標本を作製し, HE標本中100μm2の細胞数を比較した.
結果: アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法で作製したHE標本は, 細胞診と同様の所見が得られた. 塗抹細胞診の重積性細胞集塊はセルブロックによって組織構造所見が明瞭となり, 免疫染色結果も良好であった. 培養細胞希釈実験により, 少数遊離細胞検体を高率に回収できた.
結論:アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法は簡便であり, 細胞診所見と併用することにより細胞診正診率の向上に寄与できると考えた.

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