日本臨床細胞学会雑誌
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体腔を主体に増殖した胞巣型横紋筋肉腫の1例
山田 真人清水 進一坂田 ふみ子澤木 由里香赤澤 康弘佐藤 圭美大月 寛郎小林 寛
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2005 年 44 巻 5 号 p. 304-308

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抄録

背景:体腔液中に腫瘍細胞が出現し, 診断が困難であった胞巣型横紋筋肉腫の1例を報告する.
症例:16歳, 男性. 労作時の息切れを主訴に当院内科を受診し, 胸水, 心嚢液および腹水の貯留を認めた. 心嚢液, 胸水細胞診ではN/C比大の小型, 円形の腫瘍細胞からなる核密度の高い球形の細胞集塊が多数みられ, 一部に腺腔様構造や鋳型構造も認められた. 臨床所見, 細胞所見および生検組織所見から上皮性悪性腫瘍あるいは線維形成性小円形細胞腫瘍 (desmoplastic small round cell tumor, 以下DSRCT) の可能性を考えた. 剖検では腹膜, 胸膜, 心膜など漿膜主体に胞巣状増生を主体とする腫瘍細胞がみられ, いわゆる “つるし柿状” の像も認められた. 免疫組織化学的に腫瘍細胞はvimentin, desmin, myoglobin, myogeninなどに陽性を示し, 遺伝子解析でキメラ遺伝子PAX3-FKHRも認められ, 胞巣型横紋筋肉腫と診断した.
結論:小円形細胞腫瘍の細胞診断では, 年齢や発生部位など臨床所見を念頭に置き, 総合的な判断をすべきであるが, 特徴的な腫瘍細胞, 細胞配列および背景所見などを認めない場合には細胞診のみでの診断は難しいと考える.

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