日本臨床細胞学会雑誌
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唾液腺腺様嚢胞癌の免疫組織学的および細胞学的解析
穿刺吸引細胞診における検討
塚本 徹哉坂 久代小林 雅子上山 勇二谷田部 恭中村 栄男稲田 健一立松 正衛越川 卓
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2006 年 45 巻 1 号 p. 55-61

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抄録

目的:唾液腺腺様嚢胞癌の形態学的および免疫組織学的解析を行い, 穿刺吸引細胞診においてその診断補助となるようなマーカーの検索を行った.
方法:唾液腺腺様嚢胞癌24例について, 上皮系細胞のマーカーとして, cytokeratin (CK), epithelial membraneantigen, carcinoembryonic antigen, 筋上皮系細胞のマーカーとして, P63, α-smooth muscle actin, S100蛋白, CD44 variant 6, maspin, c-KIT, glial fibrillary acidic protein, vimentin, および細胞増殖のマーカーとして, Ki-67, 粘液染色として, periodic acid-Schiff, Alcian blueを行った.また, 細胞診の検体を用いて, CKとp63の免疫染色を施行した.
結果:上皮系細胞のマーカーとしてCKが, 筋上皮系細胞のマーカーとしてP63が, 感度, 特異性ともに最も優れており,(1) tubular typeでは, 内側が上皮系で, 周囲に筋上皮系が存在し,(2) cribriform typeでは, 筋上皮系が偽腺腔を覆い, 上皮系がその間を介在しており,(3) solid typeは, 筋上皮系細胞が主体に増殖する像が得られた.細胞学的にも, cribriformtypeでは, p63陽性の筋上皮細胞が偽腺腔を覆い, その周囲にCK陽性の上皮細胞が存在すること, また, tubulartypeでは, CK陽性の上皮細胞集塊の周囲をp63陽性の細胞が取り巻くことが示され, 診断に有用であった.
結論:唾液腺腺様嚢胞癌は, 非常に多彩な組織像を示すが, 穿刺吸引細胞診において診断困難例については, CKとp63の免疫染色による対比が有効であることが示唆された.

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