日本臨床細胞学会雑誌
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細胞検査士の身体的症状に対する諸因子の検討
細胞診従事者と非従事者の比較検討
杉島 節夫是松 元子及川 洋恵岩崎 常人市原 清志佐藤 雅美亀井 敏昭金城 満
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2006 年 45 巻 6 号 p. 313-317

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抄録

目的:細胞検査士の鏡検業務による種々の身体的症状の特徴の把握のために行った.
方法:顕微鏡による鏡検業務を行っている細胞検査士 (以下細胞検査士) 男性49名, 女性53名の計102名および, 対照として鏡検業務を行っていない臨床検査技師 (以下対照) 男性27名, 女性72名の計99名, 合計201名 (対象年齢は50歳未満) に対して健康調査票を作成し比較調査を行った. なお, 身体症状に対する回答は2-5段階で設定し数値化した.
眼性疲労度スコアとして, 眼痛, まぶしさ, 眼瞼痙攣, 眼の乾きに関する回答の合計値, 視調節障害スコァとして, 近くが見づらい, 遠近調節力低下に対する回答の合計値を, 身体疲労度スコアとして, 頭痛, 肩こり, 肩痛, 上腕痛, 肘痛, 手首痛, 腰痛に関する合計値を算出し, それらと関連する要因について重回帰分析を用いて検討した. 一方, 細胞検査士かどうかを目的変数として, 多重ロジスティック分析で, 細胞診従事者で頻度の多い身体症状について解析を行った.
結果: 重回帰分析により, 眼性疲労度スコアは女性で高く, 細胞検査士でより強くみられた. また, 視調節障害スコアは, 加齢とともに高くなるが細胞検査士でより高かった. 身体疲労度スコアは, 眼痛等の眼症状と強い相関を示し, 細胞検査士であることも強い要因であることが示された. 一方, 多重ロジスティック分析により, 細胞検査士では, 近視の頻度が高く, 身体症状のなかでも, 肘痛や肩こり, 近くが見づらいなどの頻度が有意に高いことが明らかとなった.
結論:細胞検査士では, 一般臨床検査技師に比べ, さまざまな健康障害がより高頻度に発生していることが明確になった.

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