日本がん看護学会誌
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研究報告
若年者の子宮頸がん検診に関する知識と思い
田中 千春国府 浩子
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2012 年 26 巻 2 号 p. 35-44

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抄録

要 旨

本研究の目的は,若年者の子宮頸がん検診に関する知識と思いについて明らかにし,受診につながらない要因を検討することである.20歳代前半の女子大学生352名を対象とし,自記式質問紙調査を実施した.質問紙は対象者の属性,子宮頸がん検診に関する知識15項目と思い24項目で構成した.回収は176部(回収率50.0%)で,そのうち記入漏れを除いた168部(有効回答率47.7%)を分析対象とした.分析は,記述統計量,χ2検定,Mann-Whitney U検定を用いた.その結果,学生の検診受診率は低く,非医療系学生の子宮頸がん検診に関する知識が低かった.子宮頸がんの重大性については理解している一方,自分とは無縁の疾患であると考えていた.また,検診の具体的内容についての知識が低く,検診に対する不利益を感じていた.しかし,感染経路や若年層の罹患増加について知っている者のほうが,検診の必要性や受診の意思をもっており,女子学生は何らかのきっかけが与えられれば,受診行動をとろうという意思をもっていた.これらのことより,検診受診につなげるためには,罹患性の認識や検診の利益性の認識を高めることが重要であり,感染経路や若年層での子宮頸がんの増加,検診の詳細などの情報提供が有効であると思われる.

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2012 一般社団法人 日本がん看護学会
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