日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
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原著
進行・再発治療期のがん患者・家族に対する訪問看護師の看護実践上の困難と学習ニーズ
徳岡 良恵林田 裕美田中 京子香川 由美子古谷 緑
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2016 年 30 巻 1 号 p. 45-53

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抄録

要 旨 【目的】進行・再発治療期のがん患者・家族を看護するうえで訪問看護師が感じる困難と学習ニーズを明らかにする.【研究方法】研究参加者:訪問看護師18 名.データ収集:半構成的質問紙による面接法と質問紙調査.分析:進行・再発治療期のがん患者・家族を看護するうえでの困難と学習ニーズについて語られている部分を抽出しカテゴリー化した.【結果】進行・再発治療期のがん患者・家族を看護する上での困難は,《治療の継続・中止に関わる介入に思い悩む》《先の見えない不安への対応に悩む》《化学療法に関連した知識がわからない》など9 カテゴリー,困難の解決に向けた学習のニーズは,《化学療法に関する基礎知識を得たい》《最新の薬物療法について学びたい》など7 カテゴリーが抽出された.【考察】進行・再発治療期のがん患者・家族に対する訪問看護師の看護実践上の困難は,倫理的問題,看護を実践するうえでの拠り所となる知識や技術,在宅ケアの提供システムに関することであった.訪問看護師のがん看護実践上の困難を軽減し,地域で患者・家族を支えるためには,看護倫理や最新の知識,コミュニケーション技術や精神面の援助を含めた教育の必要性が示唆された.

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2016 一般社団法人 日本がん看護学会
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