日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
Print ISSN : 0914-6423
原著
治療期膵がん患者の家族が認知する患者の症状・療養支援状況 および患者の治療状況と家族のQOLとの関連
大泉 千賀子佐藤 冨美子佐藤 菜保子
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2018 年 32 巻

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抄録

要 旨

本研究の目的は,(1)治療期膵がん患者の家族のQOL,(2)家族が認知する患者の症状,療養支援状況,患者の治療状況と家族のQOL の関連を明らかにすることである.

膵がん患者の家族67 名を対象に,基本属性,治療状況,家族の療養支援状況,家族が認知する患者の症状,健康関連QOL(SF­36v2 尺度)について自記式質問紙および診療録調査を実施した.その結果,QOL の中央値が60 歳で調整した国民標準値と比較して「日常役割機能(精神)」が有意に低かった(p<0.05).また,家族が認知する患者の症状合計得点が高い者ほど,「活力」「日常役割機能(精神)」「心の健康」が有意に低かった(rS=-0.29~-0.39;p<0.01~0.05).療養支援状況におけるQOL の比較では,患者の症状を理由とした食事に関する負担がある者ほど(p<0.01~0.05),また,経済的負担がある者ほどQOL が有意に低かった(p<0.05).重回帰分析の結果,膵がん患者の家族のQOL に影響する要因は,食事の準備や食卓を囲むことの負担の有無,家族が認知する患者の症状得点(体重減少,不安,痛み),手術経験の有無,病期,内服薬管理状況,患者と病気についての話し合い状況,医師による症状出現時の対応に関する説明の有無だった.治療期膵がん患者の家族に対する患者の症状マネジメントに関する教育および情緒的支援の必要性が示唆された.

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2018 一般社団法人 日本がん看護学会
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