日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第7回学術集会)シンポジウム2 リハとクリニカルパス -広く患者にとっての連携医療を考える-
情報共有のためにパスを分ける
~リハチャートを活用して~
笹川 尚
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2007 年 9 巻 1 号 p. 59-63

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抄録

 リハビリテーション(以下リハビリ)治療を伴う疾患においては、医療者用クリニカルパス(以下パス)に同一の身体活動レベルをもって退院・転院時アウトカムとすることは困難である。

 当院では「患者用」「医療者用」パスとは別に、リハビリ用パス「リハチャート」を作成し、入院中や退院後のリハビリ継続に対応している。

 リハチャートは医療者、患者ともに手元において、いまどのステップにいるか情報を共有し、互いに確認して経過を追うことが出来る。また急性期病院から回復期病院、さらに施設や在宅へいく場合も引き続き使用し、患者のフォローと一貫したリハビリを進めるための手段としても活用している。

 当地区では、病病~在宅まで一貫して使用する地域連携パスが作成試行されているが、リハチャートはその中に組み込まれた。

 リハチャートをあえて医療者用パスとは別に作成することで、一施設としての入院中医療ケアの達成度、施設を超えてのリハビリ目標到達へのステップが明確に評価できる。地域・医療・介護へも連携するツールであり、今後より多くのリハチャートを作成し地域連携パスへとつなげたい。

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© 2007 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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