犯罪社会学研究
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更生保護施設における少年の処遇と立ち直り (課題研究 少年非行と非行少年処遇の過去・現在・未来)
百瀬 覚由
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2015 年 40 巻 p. 39-56

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抄録

平成24年に犯罪対策閣僚会議が決定した「再犯防止に向けた総合対策」において様々な政策が打ち出されるようになった.それによると,更生保護施設が,以前にも増して,犯罪者や非行少年に対して住居と就労先を確保する支援を担うことに期待が高まっている.そこで,少年専用の更生保護施設で,最も高い収容実績のある立正園に入園する少年の年齢,出身地,非行内容,出身矯正施設などのデータを提示し少年像をより明確にしながら紹介する.更に立正園で行われている処遇内容,少年の在園期間や就労状況を見ることで,少年専門の更生保護施設の必要性が理解されることに期待したい.また,近年では親子関係が芳しくなく,更生保護施設から退所する際に自立を迫られる少年が増加している.少年の社会性の低さから自立に必要な力を身に付けるために,社会の中でより自立の段階に応じた手厚い支援が必要となっていると考える.

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© 2015 日本犯罪社会学会
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