2013 年 54 巻 3 号 p. 104-113
海面(水面)の廃棄物最終処分場は,埋立区域の底面遮水層として在来地盤の沖積粘土層を利用している.廃棄物の投入によって,この底面遮水層となる沖積粘土層への廃棄物のめり込みなど遮水機能への影響が懸念される.しかし,埋立物投棄による底面遮水層への影響についての調査研究事例は少ない.そこで,筆者らは,埋立物の沈降現象を室内・現場実験等で捉えてきた.このような結果から,投入物の沈降の終端速度を把握することができたが,その終端速度が底面遮水層にどのように影響するのかが問題となる.ここでは,投入物の底面への影響について,加速度計等を用いて,室内実験および現場実験を行い検討した.
その結果,投入物によっては,底面へのめり込みが生じる場合があることが示され,遮水層への影響が懸念された.また,ヘルツの理論より求められる投入物の衝撃力およびめり込み量は,実際の実験結果に近い値となり,水中においてもヘルツの理論は有効であることが示された.