応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
ISSN-L : 0286-7737
報告
常時微動観測に基づく大野盆地のS波速度構造の推定
小嶋 啓介
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 55 巻 1 号 p. 28-37

詳細
抄録

 常時微動のアレイ観測および1点3成分観測に基づいて,福井県の大野盆地の新第三紀基盤岩に至るS波速度構造モデルの算出を試みた.はじめに,常時微動のアレイ観測に空間自己相関法を適用して求められたRayleigh波位相速度に基づいて,アレイ観測点直下の層厚とS波速度の推定を行った.また,1kmメッシュで実施した常時微動の1点3成分観測からH/Vスペクトル比を算出し,沖積層および第四紀層に起因すると思われる卓越周期を特定し,大野盆地の卓越周期分布を求めた.さらにアレイ観測点の推定S波速度構造を事前情報として利用し,観測H/Vスペクトル比に基づく逆解析から,S波速度構造の推定を行った.ついで,微動観測点ごとに推定されたS波速度構造をサンプルとして,Krigingによる空間補間を行い,大野盆地の新第三紀層までのS波速度構造モデルを推定した.常時微動から推定されたS波速度構造モデルは,ボーリング情報および重力異常に基づく密度差構造と矛盾が少ないことを確認した.推定モデルによれば,大野市の市街地は平均S波速度が相対的に小さい領域に対応している可能性があることなどが明らかとなった.

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本応用地質学会
前の記事
feedback
Top