2014 年 55 巻 3 号 p. 110-117
観測微動波形の定常性に着目した新たな解析手法(ρ曲線分割計算法)により,より小さなアレーサイズで深部のS波速度構造(以下,「深部S波速度構造」と呼ぶ)まで解析可能であることが確認できたことから,これに基づいて30地点の微動アレー探査を行った.その結果,上町断層を中心とした南北約10km,東西15kmの範囲で東西方向に4つの断面を得ることができた.これら4つの測線から,上町断層を境に,西側と東側で地震基盤深度に明瞭な違いがあることを確認した.