2014 年 55 巻 5 号 p. 229-240
本研究は,山梨県の甲府盆地と御坂山地の境界部に分布する曽根丘陵断層群の地質構造と形成過程を明らかにした.曽根丘陵の変動地形は,東北東-西南西方向で特徴づけられ,それに沿って逆断層,高角度断層,正断層が分布する.盆地と丘陵の境界部ならびに丘陵と山地の境界部に逆断層が延びる.その間の頂部と鞍部等に高角度断層,正断層,アンチセティック断層が分布する.本丘陵は中期更新世に,断層活動(構造運動)により頂部の背斜(構造的な膨らみ)が形成された.後期更新世には,頂部がさらに隆起し開析扇状地が形成された.