応用地質
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空中写真判読で推定された大規模な斜面崩壊過程
黒木 貴一 太田 岳洋瀧本 真理
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2026 年 66 巻 6 号 p. 262-268

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抄録

令和6年能登半島地震で生じた大久保地区の斜面崩壊の地形形成過程を議論した.国土地理院撮影の空中写真を実体視し,地形と土砂移動を判読した.判読では,樹木の倒伏と地表の亀裂や凹凸を考慮した.地形は土塊,滑落崖,崖錐,岩屑流に区分し,各地形区分に対し土砂移動の方向を計測した.次に隣接する滑落崖と土塊,滑落崖と崖錐を統合し1つの地形単位とした.地形単位と土砂移動の方向から崩壊の順序を判断した.さらに隣接する地形単位の順序が順接ではなく,土砂移動の方向が異なる不連続線を見出し,崩壊単位を区分した.地形区分,地形単位の区分,崩壊単位の区分,土砂移動の方向から,大規模な斜面崩壊が持つ多段階の崩壊過程を推定した.このように,空中写真判読で得た地形区分と土砂移動の方向の情報から,斜面崩壊の過程つまり地形形成過程を議論した.その議論で用いた,地形区分の統合を段階的に行う作業は,マルチスケールの地形特性を踏まえた合理的な分析方法と考える.

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© 一般社団法人 日本応用地質学会
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