応用地質
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異方性層状岩の強度・弾性波速度・変形および破断面の特性等に関する実験的考察
糟谷 憲司
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1979 年 20 巻 3 号 p. 87-96

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抄録

葉理を有する砂岩, 砂質頁岩, 粘板岩, 結晶片岩等異方性層状岩および節理を有する花崗岩について各種の試験を行ない, 強度, 弾性波速度, 変形および破断面等の特性を求めた.
その結果の主なるものを示すと次の通りである。
1. 層状岩の圧縮強度は加圧方向と層の傾斜との関係で異なり, 30゜~45゜の時最小となる下に凸の曲線となる。また, 最小値となる角度は, 層に直角に加圧した場合の圧縮強度の大小に関係し, 強度の大きいものは30゜近辺, 強度の小さいものは45゜程度となる。
2. 圧縮強度の異方性係数の大小は, 地層生成時の応力に関係があるものと考えられる。
3. 静弾性係数は層の傾斜によって異なり, 層の傾斜角との関係は圧縮強度の場合と同様の傾向を示す。
4. 層に直角に加圧した時の圧縮強度と速度異方性係数との間にはy=axで表わされるような傾向がみられる。
5. 均質岩に異方性構造 (節理, 亀裂, 岩脈等) をもつ場合の各種試験結果は, 層状岩と同様な見地から考察すればよいと考える。

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