1998 年 38 巻 6 号 p. 337-348
トンネル地山調査の精度・効率を上げるためにTDEM法 (Time Domain Electro-Magnetic method) によるトンネル探査の実験的検討を行い, 求められた比抵抗構造とトンネルの地山評価・切羽における地質構造とを対照し, TDEM法によるトンネル探査の有効性を検討した。その結果, 得られた低比抵抗帯は地質の軟弱部・粘土層・軟岩等に対応すること, 地山の比抵抗値は切羽での地山総合評価点との良い相関を示すことが確認された。とくに, 土被りが大きい場合やブラインド・レイヤーとよばれる従来の弾性波探査で調査が困難な地質構造でも, TDEM法により有効なトンネル調査が行えることが判明した。