応用地質
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火山地域の構造へのVLF-MT法の適用
韮崎火砕流台地上の小円丘の構造と起源について (2)
河西 秀夫
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1998 年 39 巻 5 号 p. 433-442

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抄録

山梨県の八ヶ岳の南西麓に分布する韮崎火砕流台地上の小円丘の構造を調べるためにVLF探査を実施した. 調査地域は小円丘の1つである谷戸城である. 50mの測点間隔で測線に沿って, 見かけ比抵抗, 位相角, 電場強度, 磁場強度を測定した. 2層構造と仮定して, 位相角分布と比抵抗分布から求めたモデルに従ってVLFデータを解析し, 以下の結果を得た. 谷戸城跡は27-94Ωmの地層, 100-250Ωmの地層, 470-900Ωmの地層, 1,000-2, 240Ωmの地層の4層から構成されている. 100-250Ωmの地層は周辺の台地を構成する地層と同一の地層で, 1,000Ωm以上の高い比抵抗を有する地層が台地面にのっている. この高抵抗層は露頭の観察から凝灰岩礫岩と溶岩の互層であろうと考えられる. これらの構造は谷戸城跡が小火山であることを示唆する.

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© 日本応用地質学会
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