応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
ISSN-L : 0286-7737
セグメント構造を考慮した断層破砕帯の形態解析
久慈地下石油備蓄基地の断層破砕帯データを例として
崔 坤登坂 博行小島 圭二
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 40 巻 4 号 p. 207-219

詳細
抄録

多数の断層破砕帯が作る系としての形態には雁行構造, セグメント構造, 階層構造など普遍的な特徴がある. これらにより断層破砕帯は有限で不連続的なセグメントの集合体となっており, そのつながりが水理構造に強く反映されることにもなろう. 大規模地下施設などの建設にあたっては, ボーリング孔, 調査横坑, 地下空洞壁面などでの断層破砕帯に関する観察データを解釈・対比・再構成をする上でその概念は有用な情報となる. 著者らは, 地下石油備蓄基地で得られている大量の断層破砕帯データを利用し, その領域内の3次元的なセグメント構造の推定を行った. その結果, 大きな断層破砕帯の地下空洞壁面での出現形態, 幾何学的諸計測量 (断層破砕帯の位置, 幅, 本数, 走向傾斜, 粘土充填物など) から, 断層セグメント本体付近とジョグ部付近とを大きく区別しながら, セグメント構造の空間的広がりを推定した.

著者関連情報
© 日本応用地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top