2000 年 40 巻 6 号 p. 346-354
トンネルは建設中あるいは建設後に崩壊等の変状を起こすことがあり, このようなトンネルの変状防止についての資料を得るため, 過去約40年間の既発表文献から調査が比較的よくなされた崩壊事例を抽出して, 地質とトンネルの崩壊との関係について検討を行った.
その結果, トンネルの崩壊が地質条件ときわめて密接な関係があり, 異種地質の境界でとくに切羽から離れたところで比較的大きい崩壊が生じやすいことが見い出された. ここに異種地質境界におけるトンネルの崩壊状況と地質条件ならびに崩壊発生機構の推定結果, それらに基づく調査・設計・施工・維持管理時の留意点について述べる.