応用地質
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フィリピンPasig-Potrero川流域における地下水探査への電気探査法垂直探査の適用性評価
平出 重信M. B. COLLADOJ. D. RONDAL鈴木 浩一森島 済渡邊 眞紀子衣笠 善博
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2002 年 43 巻 4 号 p. 239-243

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抄録
1991年6月のピナツボ火山噴火により, 火山周辺地域の地下水は多大な影響を受けた. そのため, 浅井戸灌漑施設の開発に有効かつ簡便な地下水探査手法が求められている.
平出ほか (2001) はPasig-Potrero川流域において, 電気探査法垂直探査を用いた地下水探査手法を提唱した. そこで本研究は電気探査法垂直探査 (ρ-a法) の有用性を評価するため, ボーリングおよび観測用井戸における地下水位測定を行って, 電気探査法垂直探査の精度を検証した.
本研究で得られた知見は以下のとおりである.
1) ボーリング調査の結果から, 電気探査法垂直探査 (ρ-a法) は全体的な地層構成を把握することが可能である.
2) 定点観測の結果から, 電気探査法垂直探査は降雨の有無にかかわらず再現性を有する.
3) 雨季と乾季の解析結果の比較から, 電気探査法垂直探査は簡便な地下水探査手法の要請が強い調査地域では適用可能な精度を有している. 地下水探査の精度は1.1~1.2mである.
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© 日本応用地質学会
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