応用地質
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破砕性を有する火山灰土の力学特性とその評価法
北海道の火山灰地盤における検討
八木 一善三浦 清一
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2003 年 44 巻 3 号 p. 142-153

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抄録

本研究では, 火山を起源とする堆積物で構成される北海道各地の地盤から不撹乱および撹乱試料を採取し, 三軸圧縮試験と繰返し非排水せん断試験を実施した. また, 標準貫入試験, コーン貫入試験およびサイスミックコーン試験などの原位置試験も行い, 室内および原位置試験データから算出される火山灰土の力学特性について詳細に検討した. 一連の解析と考察から, 粒子破砕性を示す火山灰土の排水せん断では, 粒子破砕の効果による圧縮変形と粒子配列構造の変化が増大するため, 不撹乱供試体のせん断強度に及ぼすセメンテーションの影響は小さくなるという結論が得られた. また, 多くの火山灰土の液状化強度に及ぼすセメンテーション, 粒径および細粒分の影響は, 拘束圧が低い場合に大となるという事実も明らかとなった. さらに本論では, 内部摩擦角, 液状化強度, コーン貫入抵抗, せん断剛性率とN値との相関について, 破砕性火山灰土と通常の砂のそれとの相違点を調べている.

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© 日本応用地質学会
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