2004 年 44 巻 6 号 p. 367-374
1999年台湾集集地震では, 多くの斜面災害が発生した. その大部分は脊梁山地から台中盆地にかけての西部縁辺山地に発生している. 西部縁辺山地と台中盆地の境界部には, 活断層の車籠埔断層に沿って地震断層の地表トレースが長さ80kmにわたって出現した. この境界部は, 急速に拡大する台中市の郊外であり, ベッドタウン化が進みつつある地域である. したがって, 地震断層の地表トレースに沿って, 開発が災害の素因となった多くの斜面災害事例を認めることができる. このうち, 代表的な6事例について, 主として地表踏査にもとづく記載を行い, 災害の発生に及ぼした都市開発および人工地形改変の影響について報告する.