応用地質
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2004年新潟県中越地震にともなう地すべり・崩壊分布-その特徴と詳細判読事例-
八木 浩司山崎 孝成岩守 勉渥美 賢拓
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2005 年 46 巻 3 号 p. 145-152

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抄録

2004年新潟県中越地震にともなって発生した地すべり・崩壊分布を1/10,000空中写真と1/5,000空中レーザー地形図を用いて判読した結果, 以下のことが明らかとなった.
1) 2004年新潟県中越地震に際して発生した地すべり・斜面崩壊等の斜面災害は, 地質・地形条件に対応したさまざまな変位・移動様式に特徴づけられる.
2) 深層すべりとしての地すべりは, 調査地域中央の芋川沿いと芋川と塩谷川に挟まれた地域に集中した分布が認められる. その集中した分布は, 梶金向斜を芋川等の河川が下刻し本地域内では比較的急な谷壁斜面が発達する位置に調和的である.
3) 調査地域西部にも地すべりのやや集中した分布が認められる. それらは東山背斜の西翼部をなす西向き斜面の流れ盤斜面に発生した層すべりである.
4) 崩壊は東部に多いが, 相対的に急傾斜を呈するケスタ地形の受け盤斜面にも卓越する.
5) 本地域の地域特性としてため池の崩壊と溢流水による土石流の発生・長距離流動化が認められた. また谷底堆積物の液状化による長距離流動化も認められた.

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