抄録
稲田花崗岩のrift, grain, hardway面にそれぞれ平行に一軸引張割れ目を発生させ, これらを肉眼と鏡下で観察した. 引張割れ目はほとんどが造岩鉱物粒子を切って形成されており, 粒子境界を通過している部分は10%前後である. 引張割れ目の壁面構成鉱物比を母岩の構成鉱物比と比較すると, rift面に平行な割れ目は母岩とほぼ同じ鉱物比をもつ. 一方, grainとhardway面に平行な割れ目の壁面鉱物は, 長石が多く石英が少ない特徴を持ち, 特にhardway面と平行な割れ目で顕著である. これら各面に平行な割れ目の壁面鉱物比のちがいは, 石英と長石内に選択的に分布・配列した初期クラックと, 石英が長石より割れにくい性質が原因と考えられる.