2006 年 46 巻 6 号 p. 341-346
本研究では, 佐賀平野北西部の標高10m以下の低地において, 地形と土地利用の変遷を明らかにし, 既存の文献資料を用いてクリークと表層地盤との関係を検討した. その結果, 軟弱地盤とクリークの分布はおおむね一致することが指摘され, クリークは表層地盤の推定可能な地形要素の一つであることが示された. さらに, クリークの一部は農地整備や都市化に伴い, 改変もしくは埋め戻されているケースがあるため, 旧地形情報による地形判読の重要性を指摘した.
道路計画を検討するうえで, 新旧地形情報を活用して表層地盤を推定することは, 概略設計段階における有効的な地盤評価手法である. とくに, 旧地形情報は, コスト縮減やPI (パブリックインボルブメント) におけるコミュニケーション資料として活用することも可能である.