応用地質
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ボーリングコアとボアホールテレビ画像を利用した岐阜県東濃地方, 土岐花崗岩の割れ目解析
丸山 大悟小嶋 智大谷 具幸
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2006 年 47 巻 1 号 p. 13-22

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抄録

地下深部の割れ目の特徴を明らかにするために, ボーリングコアに認められた割れ目とボアホールテレビ画像に認められた割れ目を対応させ, 割れ目の走向・傾斜, 割れ目面の形状, 充填鉱物などについて検討を行った. 研究対象は, 岐阜県土岐市で掘削された垂直ボーリング孔の深度51~1,012mの部分で, 白亜紀後期の土岐花崗岩である. 割れ目は, 急傾斜でNNW, NS, NE~ENE走向のものと水平なものが卓越する. 深度別に見ると, 急傾斜割れ目の走向は, 深くなるにつれ, NNW→NNE, ENE→EWへと変化する. 割れ目の形状には, 直線的ででこぼこしたもの (Pr), 平らなもの (Pf), 条線がみられるもの (Ps), および, 起伏してでこぼこしたもの (Wr) が認められる. Ps割れ目の解析から, 深度340m付近に, 横ずれのせん断運動によって形成された, NNW-SSE走向で急傾斜の割れ目群があることが明らかとなった. Pr, Pf, Ps割れ目は急傾斜のものがほとんどで, 形状等の特徴からせん断運動によって形成されたものと推定される. Wr割れ目は水平なものと急傾斜のものの両方がある. このうち, 浅部にみられる水平なものの一部はシーティング割れ目, その他のものは冷却割れ目である可能性が高い.

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© 日本応用地質学会
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