2009 年 49 巻 6 号 p. 331-337
2002年7月11日の台風6号に伴う豪雨で, 羅生トンネル坑口の上方斜面が崩壊し, 道路に土砂流出し災害となった. ここでは, この崩壊経緯とその特徴および今後の対策検討のために実施した周辺斜面の調査結果を報告する. (1) 周辺の地質は, 北上山地南部の花崗岩類で, 崩土はまさ土を主体としていた. (2) 複数時期の空中写真により崩壊発生と植生変化状況を追跡した結果, 今回の崩壊箇所と同様な地質・植生箇所で, 崩壊が頻発していた. (3) 隣接斜面 (S-2) に簡易貫入試験を行った結果, 崩壊の危険性箇所を特定した. (4) 隣接斜面は今回崩壊斜面と類似の特徴を持っていた.