情報教育において,問題解決学習の場で発生したコンピュータ操作上の問題(ミスやトラブル)の解決の過程を,質問紙調査や聞き取り調査をして把握した.調査によって得られたプロトコル(内観報告)を認知科学の視点から分析し,学習者は問題解決の糸口をつかみ,理解を深め,深い記憶を得て,解決に至るという問題解決の思考過程が明らかになった.また,プロトコルの分析の中で,トラブル解決のためのキューワード(手がかりとなることば)を明確に捉えることができない学習者には,問題解決型演習の中で情報カードが役立つのではないかと考え,調査した.その結果,情報カードを活用して,トラブル解決に取り組もうとするきっかけは与えているが,キューワードの把握が明確でないため解決には至った者は少ないことが分かった.