教育情報研究
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21世紀の高校教育と学校改善の課題 : 新教育課程の特色と対応の視点
有園 格
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1999 年 15 巻 3 号 p. 3-10

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抄録

21世紀の教育改革にむけて幼稚園, 小学校, 中学校の新しい学習指導要領を公示してきた文部省は, 平成11年3月29日に新しい高等学校学習指導要領を告示した.この高等学校・新学習指導要領は戦後7回目の改定にあたり, 平成10年7月の教育課程審議会の答申を受けて作成されたものである.したがって新学習要領の内容は教課審答申の「教育課程の基準の改善」にみられる改定の基本方針にそった改定になっている。またそこには現在の高校教育課程にはみられない高校の主体性を生かした教育課程の弾力的編成と多様な教育課程づくりへの道を拓くと共に生徒のニーズに対応できる教育にむけ必修科目を最低限におさえ, 選択教科・科目を大幅に拡大し, 小・中学校同様にボランティア活動や体験的学習を重視する「総合的な学習の時間」を必修として位置づけるなどの特色がみられる.しかも中央教育審議会が平成11年12月に「初等中等教育と高等教育の接続について」(最終答申)の改善案にみられる高校と大学の接続問題の取り扱いで, 高校生に大学の講義を公開受講させたり, 大学側が大学進学に必要な学力・能力を公表し, 高校に適切な進路指導を期待するなど, 高校に新しい対応課題が提言されている.したがってこれからの高校には新学習指導要領にみられる教育課程編成の取り組みに高等教育の多様な教育方針への対応を含めた具体的な検討が必要になる.本論ではこうした高校の新学習指導要領にみられる改定の特色とこれからの高校教育の改善課題を普通教育に重点をかけて究明した.なお本論では特殊教育諸学校の教育課程改訂については省略した

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