2007 年 22 巻 3 号 p. 19-30
本研究では児童にPDA(Personal Digital Assistants)を持たせ,活用場面に応じた学習ツールを開発し実践を行った.各実践において児童はPDAを1人1台持ち,各学習で活用した.これらの実践を通して,学習端末としてのPDAの有効性と可能性を探った.特に校外での活用に関しては,校内での学習との連続性を重視し,PDAを媒介したモバイル学習環境を構築することによって,それぞれの学習の場が有効に結びつくことや,教科及び教科外での学習におけるPDA活用の有効性を探った.構築したシステムは大きな問題もなく稼動し,各実践に対してそれぞれ所期の目的を達成することができた.これらの実践をとおして1)何時でも何処でも利用できるモバイル学習環境の活用実践事例,2)学習端末としてのPDAが教科の学習時と教科外の学習時の両方に活用することができる携帯情報端末であることを示すことができる活用実践事例,3)学校内外での学習との連続性を重視した実践を行うことにより,シームレスに接続されたモバイル学習環境の実現の可能性を示す活用実践事例,を報告する.