2015 年 30 巻 3 号 p. 3-9
筆者らは教育現場において,「子どもの進路についてよくわからない」など,進路に関する質疑を保護者から受けることが多い.そのような経験から,今回,工業高校において保護者と連携し,進路指導に関連した面接指導を実施した.本論文は,その実践事例に関する調査研究を主としている.その実践終了後に,参加した保護者を対象に質問紙を用いた調査を行った.その質問紙調査について分析した結果,(1)進路実践会は,学校での進路指導に関する具体的な指導や面接練習の方法が理解出来たこと,(2)保護者として進路について不安に感じていることは,生徒と進路に関し会話することが不安であること,(3)(2)に挙げた不安は,保護者と生徒間で会話を行うことでそれを解消することにも繋がっていること,を明確にした.