教育情報研究
Online ISSN : 2432-1745
Print ISSN : 0912-6732
学習者の情報教育に対するカリキュラム・イメージの時系列的な変遷の検討
本村 猛能森山 潤
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 30 巻 3 号 p. 37-48

詳細
抄録

本研究では,我が国の中高生が抱く情報教育のカリキュラムに対するイメージ(以下,カリキュラム・イメージとする)の時系列的な変遷を把握し,今後の情報教育のカリキュラムのあり方を検討した.情報教育の史的展開を1985〜1999年の成立期,2000〜2008年の展開期に分け,それぞれの時期に筆者らが実施した調査の結果を整理した.その結果,学習者が情報教育に対して抱くカリキュラム・イメージの因子構造は,専門高校と中学校及び普通教育で変遷の様相が異なっていた.専門高校では,成立期・展開期共にそれぞれの時期に施行されていた学習指導要領に示された情報教育の目標・内容に即したカリキュラム・イメージが学習者に形成されている様相が把握された.これに対して,中学校及び普通高校では,それぞれの時期に施行されていた学習指導要領に示された情報教育の目標・内容よりも,社会の情報化の進展に伴うトピックの変遷に強く影響されていることが示唆された.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top