2015 年 31 巻 2 号 p. 3-14
本稿では,高校における教科「情報」の授業内容や指導体制の問題点について,実際に授業を受講した生徒が抱いた不満との関係を計量分析より検証した.調査データの集計結果より,教科「情報」の授業を大学生の1/3以上が「不満」と回答し,必ずしも良い印象を抱いていないことがわかった.次に,計量分析の結果より,学習内容,授業でタイピング練習がない,授業の進行スピード,1年生の時にしか授業がない,担当教員が情報の専門でない,説明がわかりづらい,生徒への目的設定がないという7つが授業への不満と関係すること,さらに,授業が「得意」だった学生は,生徒間のタイピング格差と練習問題が少ないことも不満と関係することが明らかになった.