2017 年 33 巻 1 号 p. 25-32
近年,標的型メールを用いた標的型攻撃が問題になっており,公的機関や企業などで被害が発生している.こうした状況において,標的型メール対策としては情報セキュリティ教育が有効な対策の一つとなっている.しかしながら,高校生を対象とした標的型メール対策教育はあまり行われていないのが現状である.そこで,高校生に対する将来における情報セキュリティへの備えの必要性から,シナリオに基づいて標的型メールの判別と対応を学習させる教材の開発をした.今回,これを用いた授業実践で知識の有意味な使用による能力開発を行うことができた.さらに,一連の学習に対する考察から標的型メールに対するリスク認知のプロセスを明らかにすることができた.