2017 年 33 巻 1 号 p. 3-14
近年,教室等において児童がICTを用いて自分の考えや意見を発表する機会が増加している.教室のICT環境や発表に用いるICTが異なれば,児童の発表に対する態度も異なる傾向を示すことが予想される.そこで,本研究では,教室のICT環境が異なる学級において,複数の発表方法についての,児童の発表に対する態度に関する質問紙調査,及びインタビューを実施した.その結果,児童は発表者としては自分の席で発表を行うことに対して積極的な態度を取り,聞き手としては教室の前で行われる発表を聞くことに対して積極的な態度を取ることが示された.また,タブレットPCが常設されている学級ではタブレットPCを用いて発表を行うこととその発表を聞くことの双方において積極的な態度を取り,常設されていない学級ではタブレットPCを用いない方法で発表を行うことに対して積極的な態度を取ることが示された.