教育情報研究
Online ISSN : 2432-1745
Print ISSN : 0912-6732
小学校第5学年社会科の教科書で用いられているグラフからの情報の取り出しに関する児童の実態
グラフの表現形式の観点から
安里  基子 佐藤  正寿高橋 純堀田 龍也
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 37 巻 2.3 号 p. 3-17

詳細
抄録

本研究では,小学校第5学年社会科の教科書で用いられているグラフからの情報の取り出しに関して,児童の実態を,グラフの表現形式の観点から明らかにすることを目的として,小学校第5学年社会科の教科書で用いられているグラフの表現形式の分類を踏まえて多肢選択式の問題を10問作成し,第6学年の児童1,291人を対象に調査を行った.その結果,正答数が9問以上の児童が34.9%確認された一方で,正答数が5問以下の児童が25.3%確認された.項目分析を行ったところ,正答数が5問以下の児童は,縦軸の値の表示が少ないグラフにおいて,目盛り・区分表示に関する誤答の選択率が高いことなどが示された.IRS分析を行ったところ,統計的対比の種類が少ないグラフに関する問題から,統計的対比の種類が多いグラフに関する問題への,難易度の順序性があることが示された.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top