科学概念形成のための学習方法を確立するため、概念形成が困難な基本用語20を選定し、各用語ごとに15〜20の概念記述文を作成して、用語と概念の結びつきを、中・高生に質問紙法で調査し、概念の理解度と概念構造を分析した。概念理解度を示す相対選択率の学年による変化の違いによって、概念用語は3つに類型化できた。これまで各概念ごとに概念形成学習法を考えていたが、類型ごとに共通する方法をとることができることがわかった。次に、各用語ごとに概念記述文間の類似性の距離を測度としてφ係数を用いてクラスター分析をし、概念の樹形図を作って比較した結果、科学概念と日常概念が別のクラスターを形成するか否かで、概念形成学習の成果を比較できることがわかった。