21 巻 (2011) 1 号 p. 41-45
先天性真珠腫の報告例は近年,増加傾向にあるが,両側性先天性真珠腫の報告例はまれであり,渉猟しえた限り内外あわせても15症例にすぎない。今回われわれは両側先天性真珠腫の1例を経験したのでその概要を報告する。症例は6歳男児,近医にて左先天性真珠腫を疑われ当科を紹介受診した。初診時の左鼓膜所見において鼓膜のほぼ全面に白色病変が透見された。右鼓膜所見は正常と思われたが,CTでは右耳のツチ骨前方に異常陰影を認めた。左耳は段階的鼓室形成術を,右耳は一期的鼓室形成術を施行し,術後経過は良好である。