頭頸部外科
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原著
中咽頭側壁癌Pull-through法切除後の一次縫縮症例の検討
須田 稔士鬼塚 哲郎上條 朋之今井 篤福家 智仁飯田 善幸
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2014 年 24 巻 3 号 p. 285-290

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抄録
中咽頭側壁癌のうち経口腔的および経頸部的なアプローチ(Pull-through切除法)にて切除後に遊離皮弁再建を行わず一次縫縮した症例についての検討を行った。手術1次症例60例のうち,Pull-through切除法を行った症例は30例であった。そのうち,切除後一次縫縮を行った19例を対象とした。術後,合併症は1例瘻孔形成認め,経口摂取再開までの期間は7~20日間(平均11.5日)で,入院期間は11日~30日(平均19日)であった。切除断端陽性症例は2例認められ,6例に転移リンパ節の節外浸潤を認めた。これらの症例に対しては,放射線治療を中心とした追加治療を行い,1例に再発を認め原病死となったが,5年疾患特異的生存率は90%であり,良好な治療経過であった。
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© 2014 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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