(化学)放射線治療後の原発残存・再発に対し救済手術を施行した下咽頭癌症例について,救済手術法の選択と合併症,予後につき,自験例について検討を行った。
2005年から2014年に下咽頭扁平上皮癌新鮮例のうち,170例に初回治療として根治的(化学)放射線治療を施行し,45例に原発残存・再発を認め,32例に救済手術を施行した。
救済術式は下咽頭喉頭全摘出術/下咽頭部分切除術/経口的切除:17/8/7例であり,術後観察期間は中央値23か月,術後3年生存率は71.3%であった。一方,術後合併症は18例(56.3%)で起きていた。救済手術は生命予後の改善に有用であり,症例を吟味し,各術式の得失を理解した上で,最適な術式を選択するべきと考えた。