頭頸部外科
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症例
神経刺激装置により顔面神経温存可能であった巨大耳下腺悪性腫瘍例
森山 宗仁平野 隆藤田 佳吾鈴木 正志
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2018 年 27 巻 3 号 p. 351-356

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抄録

耳下腺腫瘍は近年では比較的早期に手術を施行されることが多く巨大化することはまれである。今回多形腺腫由来癌となった巨大耳下腺腫瘍に対し神経刺激装置を用いて,顔面神経モニタリングを行うことにより,顔面神経を温存し腫瘍摘出した1症例を報告する。症例は50歳女性。6年前より左耳下部腫脹を自覚し3年前より増大傾向にあったが放置し続けた。近医内科受診した際に,当科受診勧められ紹介となった。初診時左耳下部~下顎にかけて29×17×15cmの腫瘤性病変を認め,顔面神経麻痺は認めなかった。神経刺激装置を用いて左耳下腺腫瘍摘出術を行うことで,顔面神経を末梢枝より同定し温存しえた。巨大腫瘍により顔面神経の走行が偏位し,末梢側より同定が必要な例には神経刺激装置の使用が有効と考えられた。

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