頭頸部外科
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原著
歯性上顎洞炎の画像診断モダリティと治療方針に関する比較検討
桐 広樹端山 昌樹前田 陽平識名 崇増村 千佐子岡崎 鈴代奥野 美香武田 和也津田 武猪原 秀典
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2018 年 28 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

歯性上顎洞炎は耳鼻咽喉科と歯科の両方で治療が行われており,治療方針も各施設によって異なっている。今回,われわれは歯性上顎洞炎の診断および治療を検証するために,歯性上顎洞炎30例32側を対象に,診断モダリティおよび治療方針について後向きに検討を行った。初期治療として抜歯とESSが行われた9例では再発を認めなかったものの,抜歯だけが行われた12例のうち8例で後にESSが行われた。また歯科用単純X線写真にて原因歯の診断が可能であったのは55%であり,歯性上顎洞炎の診断にはCTでの読影が必要であると考えられた。いずれも後向きの検討であり,今後治療方針を一定にした前向き研究が必要であると考えられた。

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© 2018 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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