頭頸部外科
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CTPを診断に利用した経外耳道的内視鏡下外リンパ瘻閉鎖術の7例
新村 大地呉 晃一松井 和夫林 泰広鳥居 直子
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2018 年 28 巻 2 号 p. 137-141

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抄録

外リンパ瘻は早期の外科的治療で聴力予後が改善する可能性がある。2014年4月から2014年10月までに,当院で外リンパ瘻を疑う症例に対して内視鏡下外リンパ瘻閉鎖術を7例行った。そのうち6例でcochlin-tomoprotein(以下CTP)が陽性であった。CTP陽性の6例中5例で平均聴力レベル15dB (3分法)以上の聴力改善が得られた。術中に外リンパ液の漏出所見を視認できたのは4例のみであった。内視鏡下手術では外耳道弧状切開のみで良好な術野を得ることができ,低侵襲で外リンパ液の漏出を診断および瘻孔閉鎖を行うことができた。CTPは外リンパ液の漏出を客観的に診断でき,有用である。

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© 2018 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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